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映画『アンカット・ダイアモンド』【考察】ネタバレ感想・徹底解説。物語の答えはタイトルにあり。

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【作品詳細】

監督ベニー・サフディ
ジョシュ・サフディ
脚本ベニー・サフディ
ジョシュ・サフディ
ロナルド・ブロンステイン
出演アダム・サンドラー
ラキース・スタンフィールド
ケヴィン・ガーネット
音楽ダニエル・ロパティン
配給会社A24
Netflix
公開日2020年1月31日
上映時間130分
製作国アメリカ

【あらすじ】

膨れ上がる借金と激しさを増す取り立てに、命さえも危ぶまれる状況の中、口先だけで生きてきたニューヨークの宝石商は、すべてを賭けて一獲千金を狙う。

Netflix『アンカット・ダイヤモンド』公式サイト

映画『アンカット・ダイヤモンド』【考察】物語の答えはタイトルに隠されていた⁈〜ネタバレ感想〜

出典:RottenTomatoes公式サイト≫

映画を観る際に重要なのは「その映画が何を伝えたいのか」だ。例えば『エクスペンダブルズ』とか『ランボー』といったような作品はほとんど何も考えずに観ることができるが、本作のような類いの作品はそうはいかない。

本作ではアダム・サンドラー演じるハワード・ラトナーの全く感情移入できない行動が見どころだ。むしろそれが良くて最期の結末もなんだか納得してしまうものだった。

仲間から金を借り、その金で賭け事を行うというとんでもないギャンブラーのハワードに感情移入して共感してしまうものなどほんの一握りだろう。結局ハワードはギャンブルをして借金に振り回されて死ぬわけだが、むしろ結末はハッピーエンドだ。最後の一攫千金の賭けにかったハワードは撃ち殺されると言う急展開も納得だ。

まさに『ラストが衝撃』系の映画ではあるがその類の作品はこのワンシーンのインパクトのみを目標に物語が進展するのだが、果たして、強烈なインパクトとなっていた。

残った事実は最後の最後の一攫千金の賭けにハワードが勝って死んだと言う事実のみだ。彼が死んだと言う事実のみを本作は伝えたかったのだ。そこにインパクトを置きたかったのだ。

ここで引っかかるのがタイトルについてだが、そこには明快な物語の答えが隠されている。「アンカット・ダイヤモンド」とは簡単に言うとカットされる前の発掘された状態のダイヤモンドのこと。売られているダイヤモンドはどれも「ダイヤモンドカット」という名の最もダイヤモンドが輝きを放つ手法によりカットされ整形される。

ハワードは賭けに勝ったがまだその手に大金を抱えてはいない。

つまり、まさにカットされる前の、素晴らしい輝きを放つ前のダイヤモンドのような状態だ。ダイヤモンドはカットされて初めて最高の輝きを放つのだ。

今大注目のA24とNetflixがタッグを組んだ

本作の大きな注目ポイントの1つは配給会社である。今、配給会社を確認して映画を観に行って間違いないのが「A24」だ。なぜならアカデミー賞含む、近年の数々の賞レースにてその名を見かけないことはなくなったからだ。驚くのはそれだけではない。A24という企業が設立されたのは立ったの7年前なのだ。

「A24」新進気鋭の映画配給会社を徹底解説。これまでの作品を紹介。今後公開予定のラインナップは?

この新進気鋭のスタジオが手掛けた作品をいくつか紹介すると、アカデミー賞に最も近いと言われるトロント国際映画祭にて観客賞の『ルーム』、第89回アカデミー賞作品賞受賞の『ムーンライト』、ホラー映画として強烈なインパクトを残した『ヘレディタリー/継承』、他にも『レディ・バード』『フロリダプロジェクト』など話題作をあげればキリがない。それくらい外さないスタジオで今最も注目のスタジオだ。配給会社がA24というだけで観る価値はあると言える。

楽曲にも注目。手掛けたのはワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(OPN)

映画の冒頭で流れる楽曲に心奪われたものも多いだろう。手掛けたのはワンオートリックス・ポイント・ネヴァーだ。

映画のオープニングとエンディングに「ブラックオパール」の内部に入り込んでいくシーンが挿入されているがそのシーンで流れる音楽を手掛けている。特にオープニングのシーンではサブディ兄弟と共に3週間以上の期間を要して制作されたというから驚きだ。本作で音楽のプロデュースを担当したダニエル・ロパティンが『アンカットダイヤモンド』の楽曲について語る動画があったので紹介しておく。

それにしても幻想的な音楽が脳の内から引き込んでくる。それもそのはずワンオートリックス・ポイント・ネヴァーの楽曲は映画『Good Time』(本作のサブディ兄弟の作品)の際にカンヌ国際映画祭(2017)で最優秀サウンドトラック賞を受賞しているのだ。

ストーリーだけでなく楽曲も楽しめるという点は本作におけるひとつの大きなポイントだ。

NBAファン必見のポイント満載

本作にはブラックオパールの買付人としてNBAの選手KGが登場する。ケヴィン・ガーネットが本人役として出演しているのだがこれはNBAファンにとっては激アツなのではないだろうか。そして映画に登場するその年はケヴィン・ガーネットの所属するボストンセルティックスがNBAを制した年。NBAの試合のシーンもちょうどよくプロットされており、彼が優勝インタビューで

「Anything is possible(不可能なことなどない)」

という名言を残したシーンももちろん登場する。

ケヴィン・ガーネットとアダム・サンドラー

タイトルの「ダイヤモンド」は関係ない?

出典:RottenTomatoes公式サイト

ひとつ話題だったのが本作のタイトルで、このことが本作における疑問の一つになっていた。登場する宝石はブラックオパールであって、「ダイヤモンド」という単語自体は言ってしまえばストーリーには関係ない。しかし先ほど紹介したような「ダイヤモンドカット」のような意図が込められていたとすれば納得だ。

原題は「UNCUT GEMS」という点からなぜアンカットダイヤモンドという邦題となったのかは少し考えてみたが、ただ単にジェムよりダイヤモンドの方がインパクトが強いからという単純な理由であろう。個人的にはこういうところに日本映画業界の負の面が出てしまっているような気はする。

アナ雪のイディナ・メンゼルが出演

また、余談ではあるが本作にはアナと雪の女王でエルサ役を演じているイディナ・メンゼルが出演しており、なぜ出演しているのかという疑問がよぎり少し印象的だった。彼女は先日のアカデミー賞で力強い歌声を披露していた(このパフォーマンスには日本から松たか子も出演)が、その時とはかけはなれた尖った役を演じきっていた。

終始「不安」という感情が行き交い破滅へと向かう本作には世界中が絶賛とも取れる評価を下している。アカデミー賞とは無縁ではあったもののその他の数々の賞を受賞している。ここだけの話、アカデミー賞ノミネート作品と同じくらい価値ある作品だ。Netflixのみでの公開となっているが是非多くの日本人に見て欲しい作品だ。

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