ジェイミー・フォックス&ジョセフ・ゴードン出演で注目を集めているNetflixオリジナル映画『プロジェクト・パワー』。
第一印象としては淡々と、着実にストーリーを展開させ最後に見せ場を作るというNetflixらしいアクション映画でした。
スーパーパワー系映画は3DCG技術の発展によってこれまでに多くの作品が公開されてきているので、やはりそれらと比較されてしまうのがお決まりです。
特にその代表格であるMARVEL・DC作品はとても人気が高いので真似はせずとも独自性を出し、どこまでそれらに近い人気をとりに行けるかを考えることがミソだと思います。
今回はそれらとの比較を踏まえつつ全体的なレビュー・解説を行います。
映画『プロジェクト・パワー』感想-Netflixらしいストーリー展開
まずは簡単なあらすじを紹介しておきます。
あらすじ
物語の舞台はニューオーリンズ。
超人的なパワーを得ることができる謎の薬を撲滅することを目的に、警官、元兵士の男、少女が手を組み壮絶な戦いを繰り広げる。
予告編
まずは全体的な感想です。
ストーリーとしては普通に面白いです。観てられます。しかし、めちゃくちゃ面白いかとなると話は別ですが単純に新しいアクション映画の新しい世界観は楽しめます。
ただ期待してた程ではなかったです。
大まかに言うと本作は"パワー"と言う薬を作っている会社があり、娘がそれに利用されているから助けに行くという救出系のストーリーです。まあ、かなりありきたりです。
続編へと発展させていきやすい物語でもある気もしますがどうでしょうか。
冒頭でもお伝えしましたが、本作はとてもNetflixらしい作品でした。
最近だと『タイラー・レイク』『オールド・ガード 』といったアクション映画が配信されていますが、展開で言うとどれも似たような雰囲気の作品です。
ひとつ何か目的があり、それに向かって世界観の説明をするように話が展開し、最後に盛り上がりを持ってきています。
アクション映画なら当たり前の流れかもしれませんがどれもそこまでサプライズ的な展開がないのが事実です。
強いて言うなら主人公のアートの能力がテッポウエビだったことですかね。
MCUや X-MENの観すぎかも知れませんが、確実にそれらほどは面白くはないです。
『プロジェクト・パワー』は原案が映画のために1から製作されているのでMCUやDCEUなどコミックで人気のある作品の映画化と比べるのは酷かもしれませんが、その辺と比較しつつ細かく解説していきます。
『プロジェクト・パワー』続編はありえるか?

出典:Netflix公式サイト
まずは皆さんが最も気になるであろう続編についてですが可能性としては十分あるのではないでしょうか。
Netflixはスポンサーがいないため(自己資金のみで好き放題製作可能)続編への興行収入のノルマのような一般的な劇場公開映画でのハードルが定められていないのでNetflix自身が作ろうと思えばいくらでも製作できると思います。
しかし、配信後の視聴者数の伸びや一般的な評価などを集計したうえで製作の話が進んでいくと想うのでそこまで簡単にGoサインが出るとは思えません。
また、先ほども紹介したようにNetflixでは『6アンダーグラウンド』『タイラー・レイク』『オールド・ガード』といったアクション映画が他にも製作されており、これらの中から再生数や評価の成績が良いものから優先的に続編が製作されると考えられます。
『プロジェクト・パワー』含め個人的に直近で視聴できた3本の中では『オールド・ガード』が続編の可能性が最も高いと考えられます。
どんな映画製作会社をも上回る相当な資金力があると考えられるNetflixですが全ての続編を製作することはないでしょう。
また、続編製作では以下のような基準を満たす必要があると考えられます。
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続編を製作できるストーリー展開か
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世界観はしっかりしているか
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キャラクターへの愛着はあるか
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資金があるか
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人気があるか
続編製作で最も重要なのが人気があるかどうかです。
人気があると資金増え、続編の製作が可能です。
しかし何よりも重要なのがキャラクターへの愛着だと思います。
視聴者の登場人物への愛着が強い作品は必ずといって良いほど成功します。
例えばドラマですが『ウォーキング・デッド』のリックは絶対的リーダーシップでかなり人気のあるキャラクターです。『ストレンジャー・シングス』のエル(イレブン)も然りです。
映画だと『マトリックス』のネオや『ミッション・イン・ポッシブル』のイーサンです。
絶対的主人公は映画のイメージとなり、うまくいけばキャラクターへの信仰的人気が出ます。
ですからアクション映画ではそのような人気を獲得することができれば勝ちです。
『オールド・ガード』は続編ありきな終わり方ですが、『プロジェクト・パワー』はそうではないとはいえ十分続編製作可能な世界観です。
また、ジェイミー・フォックス演じるアートはラストでパワーを使いその他登場人物のパワーと比較すると圧倒的に強い力を発揮していたので信仰的人気&絶対的主人公の地位を獲得できそうな予感がします。
続編を製作するとなるとさらにその能力の見せ場が増えるはずなのでここはひとつ期待です。
MCUやDCEUにどこまで近づけるか
超人的なパワーが登場するなら比較せざるを得ないのがこれまでに公開されてきたMCUやDCEUです。
MCUはマーベル・シネマティック・ユニバースで、MARVELコミックスの実写映画化作品集のこと、DCEUは DCエクステンデッド・ユニバースでDCコミックスの実写映画化作品集のことです。どちらも正確にはその世界観を表す言葉です。
この2つはアメコミ(アメリカンコミックス)の最大手2社なので先ほども述べましたがこの2つと比較することは流石に酷かもしれませんね。
しかし、Netflixがこれから配信映画で勝負していく以上、それらと対等に太刀打ちできるような人気作品を製作する必要があると思います。
それも、10年や20年のスパンで人気が継続する作品です。
Netflix自身もそれができれば企業としても安泰なのでそれを望んでいると考えられます。
そうなってくると『プロジェクト・パワー』はどうでしょうか。
ここからはあくまで続編が製作されると仮定した上での話です。
MCUやDCEUに近づくには、まず第一に同じようなストーリーではないことです。人気でそれらに近づくということです。
独自性を出し、どこまで人気を集めることが可能か、ファンを熱狂させられるかにかかっていると思います。
シリーズ化でファンを楽しませることはNetflixは得意だと思います。
例えば『ストレンジャー・シングス』や『アンブレラ・アカデミー』は同じスーパーパワー系の物語ですがどちらも成功しています。
『ストレンジャー・シングス』は言わずもがなの驚異的な人気ですが、『アンブレラ・アカデミー』はシーズン2で爆発的にファンを増やしています。
つまり続編でさらに人気を集めることは可能です。
というか、どう考えても『プロジェクト・パワー』は製作しようと思えば続編の方が面白くできると思います。
今回は世界観の説明だけでしたからね。アクションの見せ場をもっと作るべきです。
また、パワーのアイデアに関しても動物や物質を基にしており無限に広げられそうです。
MARVEL関連で言うとX-MENシリーズの方が本作に近いでしょうか。
X-MENで登場するミュータントたちを『プロジェクト・パワー』で言うところのパワーを服用した者たちに照らし合わせると分かりやすいです。
また、X-MENに登場するミュータントはMCUやDCEUに登場するほど異常な力はそこまで登場しません。
最も人気の高いウルヴァリンはかぎ爪と自然治癒能力のみです。一応、骨がアダマンチウムで強化されていますが、『プロジェクト・パワー』と同程度の、なさそうでありそうな限度に線を引いている気がします。
X-MENではジーン・グレイ(ダークフェニックス)と言うかなりやばい能力のキャラクターが登場するのも事実ですが『プロジェクト・パワー』でもアートの娘の能力もかなりヤバそうです。
また、構図的にもX-MENはミュータントの能力を悪用する者達とそれを止める者達の争い、『プロジェクト・パワー』はパワーを悪用する者達とそれを止める者達の争いを描いています。
二つの争いの共通点はどちらも同じ力(ミュータントとパワー)を持っており同等に敵対できることです。
他にも『X-MEN ファイナルディシジョン』にはミュータントを普通の人間に戻そうとする「キュア」と言う薬が登場します。
『プロジェクト・パワー』とは逆効果ですが、どこか似ている設定ですよね。
このように考えてみると『プロジェクト・パワー』は作り方次第で実はかなり面白い作品にできそうです。
MCUを超えるシリーズを早く観たいという願望も含めて本作の続編があるとしたらさらに面白いものを期待したいです。
なさそうでありそうなリアルさが良い
『プロジェクト・パワー』で最も印象的なのが、先ほども述べたようななさそうでありそうなリアルさだと思います。
体が硬くなったり、透明になったり、そこまで異常な能力はないです。
まあ、超人映画の範囲内での話ですが。
それも、大抵が銃で太刀打ちできる能力でした。これが本作の良さです。
時空を曲げてしまうような能力が無いので現実世界の域をギリギリ超えずにストーリーを展開させられます。
つまり、感情移入しやすく、物語に深みが出ます。
『プロジェクト・パワー』の続編があるとすればどのようなストーリーか?
ここまでの解説や良さを生かしつつ、続編が製作されるとするとどうなるのか少し考えてみます。
続編では以下のような要素が描かれる可能性あると考えられます。
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パワーの覚醒
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パワーを隠し持つ者
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同じパワーを持つものの存在
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パワーの定着化
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新たな組織との敵対
まず、超人映画でありがちなのが能力覚醒です。
これは地味な能力を持っているキャラクターにありがちなのですが、可能性としてはジョセフ・ゴードン演ずるフランクの能力がかなり地味です。
硬くなって自然治癒するだけなので何か覚醒的なパワーを見てみたいです。
フランクのアクションシーンの動画が公開されていました。
また、一度ばらまかれたパワーですがどこかで密かに隠し持っている人が居るはずです。
それを元に誰かが悪用すれば、新たな組織との敵対につながります。
また、パワーに自らが殺されてしまうものと、耐えられるものが存在しました。つまり、パワーに耐えられる人と耐えられない人が居るはずなので今後、使用可能時間が延びたり、パワーを服用しなくても能力を発揮できる人が増えるかもしれないですね。
これからどんな能力が登場するのか楽しみですが、アートのテッポウエビの能力強すぎませんか。
調べてみたら本当にテッポウエビは超高温のプラズマを発生させるそうです。
メカニズムはハサミの刃の部分が噛み合う瞬間に気泡ができ、それがすぐに破裂することで発生するみたいです。
かなり危険ですね。
まあ何にせよ続編が製作されるなら期待したいですね。