MOVIE

映画『オクジャ/okja』【ネタバレ考察・解説】ラスト結末で伝えたかったこととは?テーマは世界の食糧問題

スポンサーリンク

本作は今やアカデミー賞受賞監督として映画史に名を残したポン・ジュノ監督の『パラサイト半地下の家族』よりも以前の作品です。

作品としては後に、これまた『パラサイト半地下の家族』でパルムドールを受賞することとなるカンヌ国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされています。

また、本作はNetflixによる独占配信であるためポン・ジュノ監督としては初の動画配信映画となっています。動画配信サービスによる映画が国際的な映画祭にノミネートされたことでも公開当初は注目を集めました。

今考えてみれば、作風的にカンヌ国際映画祭で注目を浴びたことも必然的な気がしますね。

また、本作はNetflixが配給しており、製作にはプランBエンターテインメントが関わっています。

そのためか映画ではルピタ・ニョンゴ、ジェイク・ジレンホール、ポール・ダノ、リリー・コリンズといったた豪華ハリウッド俳優陣をはじめウォーキング・デッドでお馴染みのスティーブン・ユアンが出演しています。

その他にも『パラサイト半地下の家族』や『新感染ファイナルエクスプレス』にも出演している韓国、そして日本での人気もあるチェ・ウシクも脇役として登場します。

出演俳優的には相当満足のいく配役となっていました。

オクジャ』【ネタバレ考察】ストーリーを徹底解説

共に成長してきた心優しい巨大生物と一人の少女。田舎で平和に暮らしていた彼らが、現代社会の科学倫理と動物愛護主義、企業欲の醜い争いの渦に巻き込まれていく。

Netflix

果たして、本作が伝えたかったこととは一体何だったのだろうか。今回は2つのポイントに絞って考察していくことにする。

オクジャ/okjaの考察ポイント

  1. 世界の食糧問題
  2. 少女(ミジャ)とスーパーピッグ(オクジャ)の愛

 

[1]世界の食糧問題

Netflix

まずは世界の食糧問題についてだ。言わずもがな、本作は世界の食糧不足の問題を大きなテーマとして扱っていることはお分かりだろう。

ポン・ジュノ監督は社会派の監督としてもよく知られるが、本作も食糧問題を大きなテーマとしてその解決策に関する問題提起をしたに違いない。

なんといっても食糧問題を解決するために、遺伝子組み換えをしたとんでもない巨大生物(スーパーピッグ)を作り出してしまった映画の中の世の中は現実社会への強烈な風刺が効いていた。

まず初めに結論から言うと、遺伝子組み換えを行なった人間が食らうことだけを目的とした生物を大量に生み出した映画の中の世界に対するポン・ジュノ監督の答えは「ノー」だ。

これに関しては当たり前といえば当たり前なのだが、世界の食糧問題とフードロスの現状を知ることでより明確に理解できる。

ここからはなぜポン・ジュノ監督は遺伝子組み換えを行なって食糧問題を解決しようとした世の中への意見が「ノー」なのかについて解説していく。

遺伝子組み換えを行なった末に完成した生物がスーパーピッグという名のどんでもないインパクトを持っていた事もポン・ジュノ監督らしいといえばらしい。

結論から言うと世界の食糧問題は結果として不足することになっているが、食糧は不足していないと言うのが現実だ。そもそも世界では年間約40億トンもの食糧が生産されていると言われており、この量の食糧であるのならば世界全人口の食を補うことが可能であるとされています。

ではなぜ食糧問題が発生するのか。答えは簡単で、キーワードはフードロスだ。

世界ではフードロスが近年非常に大きな問題として取り上げられることが多くなっている。

食糧問題が発生するのはこのフードロスが大きく関係していることは少し考えればすぐに理解できる。

フードロスとは言わずもがな、生産されたのにも関わらず、消費されずに廃棄される食糧のことである。

いわゆる食べ残しやスーパーなどでの賞味期限切れにより発生する。

世界では年間約13億トンのフードロスが発生しており、これは生産される食糧の3分の1にあたる規模だ。

では世界の食糧消費と廃棄の現実ははっきりとわかったが、世界で飢餓に苦しむ人口はどれくらい存在するのだろうか。

結論からお伝えすると世界で飢餓に苦しむ人口は約8億人だ。世界の人口は約77億人であるため、およそ10人に1人が飢餓という状況だ。

ここであることに気づきはっとした人もいるのではないだろうか。

食糧問題を解決するための案として以下の2通りが挙げられる。

食糧問題の解決策

  1. フードロスを減らす
  2. 食糧生産量を増やす

後ほどお伝えする結末で伝えたかったことから考えると非常にわかりやすいのだがポン・ジュノ監督が考える案は1のほうで2には懐疑的であると考えるのが妥当だ。

遺伝子組み換えなどによる動物愛護団体が声を上げるような卑劣なやり方ではなくフードロスを減らすことが解決への近道だ。

気づいている方ももういるだろうが、飢餓に苦しむ人口は8億人で世界の全人口の10%以下で、フードロスは全食糧の25%だ。

フードロスを減らせば簡単に食糧不足を解決できることは明らかであるのだ。

つまり、遺伝子組み換えによって新たな生物を生み出し悲しみを共有することで、ポンジュノ監督は食糧問題の解決策に関する意見を映画を通して社会に訴えかけたのだろう。

[2]少女(ミジャ)とスーパーピッグ(オクジャ)の愛

続いての考察ポイントは少女(ミジャ)とスーパーピッグ(オクジャ)の愛に関する考察だ。

あくまで個人的な考察で感想のようなものだが、ミジャとオクジャの関係はジブリ作品の『となりのトトロ』のトトロとメイの関係に非常に似ているような気がした。

ポン・ジュノ監督がそれを意識していたのか否かは定かではないが、特にミジャがオクジャとジャレ合うシーンではすぐにトトロを思い浮かべてしまった。

なぜだろうか。少女と未知の巨大な生物は意外としっくりくるのは私だけなのだろうか。

それもこれもトトロのおかげなのか?なんだか終始ほっこりする描写が多かった。

また、ミジャとオクジャの絆のようなものは非常に強いものとして描かれており、これが最後の結末の伝えたかったことにつながるのだ。

映画『オクジャ/okja』がラストの結末で伝えたかったこととは

世界の食糧問題やミジャとオクジャの愛を描いた本作だが、この物語がラストの結末で伝えたかったこととは一体何なのだろうか。

ラストを考察するうえで非常に重要だったのはやはりミジャとオクジャの愛や絆だということがわかった。

特に気付いた人もいると思うが、ミジャとオクジャは簡単な意思疎通ができる関係にあったと言える。

それは、ミジャがオクジャの耳元で何かささやくシーンから、オクジャが言葉を多少理解しているのだ。

また、ミジャとオクジャが故郷に戻った後にオクジャはミジャの耳元で何か呟いており、ミジャもそれを理解している様子だった。

このことからミジャとオクジャは互いの意思を理解し伝え合うことができていたのだ。

つまり、スーパーピッグにも心があり、意思があるのだ。

これ以外にもミジャがオクジャを金の豚で買い取った後にトラックに向かう際、スーパーピッグの家族が近寄ってきて柵から子を投げ出すシーンがある。

結果的にミジャとオクジャはこのスーパーピッグの子供を連れて帰ったのだが、子を柵から投げ出すスーパーピッグの親の行動は明らかに彼らに意思が存在することの現れである。

スーパーピッグの親はこれから自分たちに起こること(銃で撃たれ、食糧となる)を理解しており、子がひとりぼっちになってしまうことを悟っていたためミジャ達に子を託したのだ。

つまりスーパーピッグに意思が存在していることを明確に示すことで、遺伝子組み換えによって生まれた食糧となるためだけの生物の存在の悲しみをラストでは伝えたかったのだ。

スーパーピッグに意思があることを示すことで彼らにより感情移入しやすい状況を作り出し、映画で起こったことを明確に良くないことだと否定し、また観客にも否定的な意見を芽生えさせるポン・ジュノ監督は天才だと言わざるを得ない。

映画としても素晴らしい内容となっていた。

また本作に登場した動物愛護団体であるALFはエンドクレジット後のシーンで活動を続けていることがわかるが、これは問題は何も解決しておらず、現実社会でも食糧問題とまだまだ向き合っていかなくてはならないという暗示であると考えられる。

終わってみると食糧問題と少女と空想生物の愛を絡めた非常に壮大な物語となっていた。

スポンサーリンク

  • この記事を書いた人

Mr.Pen

-MOVIE
-, ,

© 2020 MOVIE-CFH