映画には様々なジャンルが存在する。
例えば恋愛映画やアクション映画、ホラー映画、そして人気の高いミュージカル映画などだ。
今回紹介するのは、数ある映画ジャンルの中でも異色の存在感を放つ難解映画だ。
個人的には、恋愛映画を観ていると泣けてきて、アクション映画では熱くなり、ホラー映画では手に汗握り、ミュージカル映画では心が高鳴ると実感している。
一方で、上記のような多くの感受性を発揮することはあまりないかもしれないが、観ていて最も面白く、没入感に浸ってしまうのは難解映画というジャンルなのではないかと考えている。
今回紹介する映画を年代順で以下にまとめた。
難解映画一覧
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『2001年宇宙の旅』1968
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『セブン』1995
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『ユージュアル・サスペクツ』1995
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『ファイトクラブ』1999
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『メメント』2000
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『ドニー・ダーコ』2001
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『マルホランド・ドライブ』2001
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『インセプション』2010
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『シャッターアイランド』2010
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『鑑定士と顔のない依頼人』2013
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『インターステラー』2014
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『メッセージ』2016
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『ギルティ』2018
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『TENET/テネット』2020
おすすめポイントを紹介するといっても、難解映画はネタバレ厳禁なので、語れることは少ない。
そこで、観る上でのアドバイスを含めながら紹介していくことにする。
一応念のために述べておくが上記の作品はただ単に難解映画であるだけでなく全ての作品がストーリーとしても非常に面白い。
一度観ただけでは理解不能?!【難易度別】難解映画13選

出典:SONY PICTURES公式サイト
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難解映画とひとくくりにしてはいるものの、難解度に差は存在する。
今回は三段階に分けてみた。
段階の内訳は、超難解・難解・少し難解である。
ちなみに超難解映画は観終わった後にその難解さ故に数日間考えてしまう可能性が高いので注意が必要だ。
超難解映画
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『TENET/テネット』
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『マルホランドドライブ』
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『ドニー・ダーコ』
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『2001年宇宙の旅』
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『シャッターアイランド』
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『インターステラー』
難解映画
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『メメント』
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『インセプション』
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『セブン』
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『ユージュアル・サスペクツ』
少し難解映画
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『ファイトクラブ』
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『メッセージ』
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『鑑定士と顔のない依頼人』
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『ギルティ』
個人の理解度や、興味によって難易度のとらえ方に多少の差はあると考えられるが大まかにはこのような難易度となっている。
ここからはそれぞれの作品について紹介していく。
超難解映画
『TENET/テネット』
あらすじ
ウクライナ・キエフのオペラハウスで突如としてテロ事件が発生。しかしこれは、CIAのスパイを暗殺するための偽装だった。
捕らえられた主人公は拷問を受けるも生還し、ある男から世界滅亡の危機を救うための作戦を任される事となる。
予告編
注目ポイント
本作は言わずもがな超絶難解映画だ。
公開されるや否や、一度観ただけでは理解不能という口コミが広がり、何度も劇場に足を運ぶものまで現れたくらいだ。
様々な考察がなされた現在でも正確には分かっていない点も少々ある。それくらい難解なのだ。
噂によると、主人公を演じたジョン・デイビット・ワシントンですら理解していない点があるのだという。
それもそのはず、本作はこれまでに多くの難解映画を作り上げてきた鬼才クリストファー・ノーラン監督によって描かれた。
観る前に最低限抑えておきたいことは、物語のテーマが時間であるという事、主人公に名前がないという事、単純にアクション映画としても楽しめるという事だ。
クリストファー・ノーラン監督はこれまでにも時間をテーマとした映画をいくつか公開しているが本作はそれらと比較しても群を抜いて難解だ。
そして驚くかもしれないが本作の主人公には名前が存在しない。待てど暮らせど映画の途中で主人公の名前が呼ばれることがないのだ。
『TENET/テネット』は非常に難解であるが故に、物語の途中で理解が追い付かず、大抵の人が置いて行かれる。
一方で、なんとなくは理解することができる。なんとなくさえ理解してしまえば、単にアクション映画としても新感覚なシーン満載なので楽しむことができるはずだ。
鬼才クリストファー・ノーラン監督が長い年月をかけて練りに練った非常に手の込んだ映画なので是非一度と言わず、二度観て欲しい。
『TENET/テネット』の詳しい考察については以下の記事を参考にしてほしい。

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映画『TENET/テネット』【解説・考察】歴史的超大傑作を徹底深堀り!ニールの正体は一体…!※ネタバレあり
クリストファー・ノーラン監督といえば、これまでに『メメント』『インターステラー』『インセプション』『ダンケルク』と、正に時間と空間を超越したかのような作品を世に送り出してきた、言わば鬼才だ。 そんな彼 ...
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『マルホランドドライブ』
あらすじ
ある日の夜、ハリウッドを一望できるマルホランド道路で交通事故が発生する。
事故から一人生き延びた女性は有名女優の家にたどり着いた。
予告編
注目ポイント
本作は鬼才デヴィット・リンチ監督による作品だ。
デヴィット・リンチ監督はカルト映画などの印象が強いが本作のクセもかなり強い。
そして非常に難解だ。
夢なのか現実なのか分からない不思議で不気味なストーリーに誰もが混乱するだろう。
『マルホランド・ドライブ』は物語を正しく理解するために様々なメディアでヒントが紹介されている。
例えば「物語の冒頭に注意」「赤いランプ」「事故が起こった場所」などだ。
これらに注目すると難解さが少しだけ軽減されるかもしれない。
『ドニー・ダーコ』
あらすじ
主人公のドニー・ダーコは高校生。精神が不安定だったために治療を受けている。
ある日奇妙な声に導かれるとそこで、ウサギの着ぐるみに出会い「世界の終わりまであと28日と6時間と42分12秒しかない」と告げられる。
予告編
注目ポイント
『ドニー・ダーコ』は観客動員数こそ振るわなかったが、DVDが爆発的に売れた映画である。
もちろんその要因は本作の難解さが口コミで広がり、細部まで考察したい人が多かったからであろう。
本作を表面的に理解することは可能かと問われれば答えはイエスかもしれない。
しかし、物語の深淵まで完全に理解することは可能かと問われれば答えはノーだ。
観賞中に細部まで理解するのは困難である。
本作の注目ポイントは謎のウサギの着ぐるみが登場すること、そして意味不明な出来事が数多く起こることである。
まず、ウサギに着ぐるみについてだがこれはジェイク・ジレンホール演じるドニー・ダーコの前のみに登場する。このウサギの着ぐるみが一体何なのか考える必要がある。
また、意味不明な出来事が多く起こるが登場人物の表情や言動にまで注目し、時系列をしっかりと抑えておくことが重要である。
かなり難解なので理解できない事前提で大まかなストリー展開を抑えることに注力する方が良いかもしれない。
『2001年宇宙の旅』
あらすじ
人類が文明を築く400万年も前のこと。ホモサピエンスの祖先であるヒトザルたちが生き抜くために闘っていた頃、彼らの前に黒い石板のような謎の物体「モノリス」が出現する。
ヒトザルは道具を使う事を覚える。
場面は変わり、ディスカバリー号は木星探査の真っ只中。高度な人工知能HALともに旅をしていたのだが…。
予告編
注目ポイント
映画業界・ファンの間で長きにわたり支持を集め続ける、言わずと知れた名作映画『2001年宇宙の旅』。
様々なオールタイムベスト作品に必ずと言っていいほど本作が名を連ねている。
言わずもがな、本作はSF映画の傑作として有名だが難解映画のジャンルでもかなりの存在感を放っている。
意味不明な展開から始まる物語に最初混乱してしまう。
『2001年宇宙の旅』が難解映画となった要因の一つが、セリフが非常に少ないことが挙げられる。
つまり、視覚効果や描写から多くの事を判断する必要がある。この斬新さが本作の評価を高めているのだが同時に難解さも高めているのだ。
SF映画の祖である本作は誰もが一度は観ておく価値がある。
『シャッターアイランド』
あらすじ
物語の舞台は1954年。連邦保安官のテディ・ダニエルズとチャック・オールは、シャッターアイランドにある精神病院を訪れる。
実はこの島ではレイチェル・ソランドという1人の女性が、"The law of 4. who is 67?"(4の法則 67番目は誰?)という謎のメッセージを残して行方不明となっていたのだが…。
予告編
注目ポイント
あまり知られていないかもしれないが本作は巨匠マーティン・スコセッシ監督による作品だ。
マフィア映画や狂気映画の印象が強い彼にとっては少し珍しい作品であるのかもしれない。
とはいえ、『シャッターアイランド』は原作が同名のミステリー小説という事もあってかなり完成された物語である。
言わずもがな、本作も非常に難解な映画である。観る人によっては未知数の難解度だ。
物語は一つの孤島、それも精神病院のある言わば隔離された島で進行するのだが、時間が経つにつれ自らもその島に立ち入ったかのような没入感に陥る。そして奇妙な展開に恐怖すら覚えるのも事実だ。
それもこれも、明らかに何かがおかしい島で起きている謎について深く考えてしまうからであろう。
観る際のアドバイスとしては登場人物の表情や言動など全てに疑いを持っておくことだ。
本作の衝撃的な結末には様々な見解がなされている。映画を観た後にもじっくり考えさせられる物語だ。
マーティン・スコセッシ監督のおすすめ映画については以下の記事で詳しく紹介している。
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マーティン・スコセッシ監督おすすめ映画・代表作8選-特徴と共に紹介
マーティン・スコセッシ監督と聞いて皆さんはどんなものを思い浮かべますか。 最近だとNetflix独占配信の『アイリッシュマン』がアカデミー賞にノミネートされ話題となりました。 『アイリッシュマン』は全 ...
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『インターステラー』
あらすじ
物語の舞台は近未来の地球。巨大砂嵐が日常的に発生するようになったことで地球では農作物の大量に枯れ、人類存続の危機に陥っていた。
人類を救うため、元宇宙飛行士のクーパーは人類が暮らせる地を求め広大な宇宙へと調査に出かけるのだが…。
予告編
注目ポイント
本作も初見では理解することがかなり困難な映画だ。
特に、宇宙にある惑星と地球の関係性、時間と空間の関係性といった物理学的な観点から物語が進行するので、これまでの人生で物理とは無縁だった人にとってはかなり難解である可能性が高い。
具体的にどれくらい難解かというと、映画公開後に物理学者が解説を行う講演会を開きその講演会に多くの人が応募するくらいである。
つまり、講演会が開かれるほど説明を行う点が多く、物語の中身が濃いという事でもある。
一方で、登場人物のセリフによる説明も多いのでそこまでネガティブにとらえる必要はないかもしれない。
本作を観る上で抑えておきたいことは、時間の進み方の概念についてだ。
ネタバレになるので深堀することはできないが、時間の進み方において地球に暮らす私たちにとって普通である事は、宇宙全体で見ると普通ではないこともあるという事を頭の片隅に置いておいて欲しい。
また、本作はCGを嫌うクリストファー・ノーラン監督によって製作されたため、壮大なセットや、宇宙の風景を地球に存在する自然の中で撮影しているものが多い。
それゆえ迫力が一味違うので是非注目してほしい。
クリストファー・ノーラン監督のおすすめ映画については以下の記事にて詳しく紹介している。
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クリストファー・ノーラン監督おすすめ映画6選-時間と空間を操る天才の難解映画に迫る
クリストファー・ノーラン監督といえばこれまでに映画館での新たな映像体験を提案し、大ヒットを連発してきた人物という印象だが、彼はこれまでに一体全体どのような作品を生み出してきたのだろうか。 例えば最新作 ...
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難解映画
『メメント』
あらすじ
ある日妻を強姦された上に殺害された夫のレナードは、現場で犯人の1人を射殺するも仲間に突き飛ばされ、前向性健忘となってしまう。
記憶が10分間しか持たないながらも復讐を果たすために自ら調査を始める。
予告編
注目ポイント
『メメント』もクリストファー・ノーラン監督の作品だ。
難解映画といえばクリストファー・ノーラン監督といった印象が強いがその印象は正しいだろう。
本作は彼が監督した映画の中では初期のころの作品ではあるが、こちらも時間に焦点を当てて物語が描かれており、ただボーっと観ているだけだと全く内容が理解できない可能性が高い。
このころから、彼が時間にかなりの興味を抱き物語に落とし込み、観客に物語の内容を深く考えさせるように仕向けていたことがわかるだろう。
また、本作がインディペンデント映画(低予算映画)の中で、かなり高い評価を得ている事も注目に値する。
本作を観る上でのポイントは、主人公・レナードの記憶が10分間しか持たないという事実を抑える事、時系列をしっかりと抑える事が挙げられる。
主人公の記憶がすぐに消えてしまう事から物語の展開がとても奇妙になっている。その事実を抑えておかなければ、きっと混乱してしまうはずだ。
また、本作では物語の時系列をしっかりと抑えておくことが全体像を把握するうえで重要な役割を果たす。
どの場面がどの場面とつながっているのかを頭の中で整理しながら観ることができればそこまで難解ではないかもしれない。
とはいえ油断は禁物の作品だ。
『インセプション』
あらすじ
主人公のドム・コブは人が夢を見ている間に潜在意識から貴重な秘密を盗み出すスペシャリストだった。
彼はその才能を生かし、スパイが暗躍する世界で重宝されていた。ある日、妻を失い、指名手配された彼に「インセプション」という任務が舞い込む。
予告編
注目ポイント
本作はクリストファー・ノーラン監督作品の中では、やや優しめの難解度の映画となっている。
しかし、一度観ただけでしっかりと隅々まで理解できるかと問われればそうではない。
物語のテーマは夢、そして時間である。ここでの夢は夜眠るときに見るほうの夢である。
夢の中に入り込み、そこで様々な任務を行う近未来を舞台とした作品であり展開が非常に斬新である。
また、映像へのこだわりは強く、特に地面がはがれ、都市が折りたたまれていくシーンは圧巻だ。
本作を観る上での最も重要なポイントは、誰が何をしているのかを明確に抑えることである。
当たり前のことだがこれがなかなか難しいのでぜひ頑張ってほしい。具体的には誰の夢の中で、誰が何をしているのかを把握したい。
とはいえ、登場人物のセリフによる説明も多いので、物語独自のルールなども容易に把握することができるはずだ。
『セブン』
あらすじ
ある日、退職まであと1週間ベテラン刑事のウィリアム・サマセットと新米刑事のデビッド・ミルズは、ある死体発見現場に到着した。
死体は肥満の男で食べ物に顔を埋めたままの状態だった。
予告編
注目ポイント
『セブン』はサイコ・サスペンスというジャンルの物語に当たるがそこまで単純なサイコ・サスペンスではない。
ポイントは本作が「七つの大罪」をモチーフとした物語であるという事だ。
「七つの大罪」はキリスト教の用語のひとつで、内訳は
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傲慢
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強欲
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嫉妬
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憤怒
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色欲
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暴食
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怠惰
である。
これらを頭に入れておくと物語を理解しやすくなる。
既に25年以上も前の映画であるが本作の評価はかなり高く、現在でも人気のある物語だ。
その要因の一つに、ベテラン刑事をモーガン・フリーマン、新米刑事をブラッド・ピットが演じていることもあるが、映像や音響にとことんこだわりぬいていることも挙げられるだろう。
本作の結末には様々な見解がなされているので、映画を観た後にじっくり考えてみるのも良いだろう。
『ユージュアル・サスペクツ』
あらすじ
ある日、船が爆発する事件が発生した。多数の死体が見つかる中、1人だけ無傷で生き残った男がいた。
男の名はヴァーバル・キント。捜査官は彼への尋問を開始するのだが…。
予告編
注目ポイント
何が嘘で何が本当か分からなくなるとはまさにこの映画の事。
観終わると唖然を通り越した究極の感情に陥る。難解映画ではよくあることだが本作は凄すぎてもはや感心してしまったのだろう。
それもこれも物語の展開が本当に素晴らしいからであろう。本作の脚本はアカデミー賞やその他主要な賞を受賞しており、高く評価されている。
物語は一人だけ無傷で生き残った男(ヴァーバル・キント)の尋問をもとにした回想シーンがほとんどを占める。
彼は左足を引きずっており、表情もどことなく不気味で非常に怪しいのだがなぜ怪しいのかが物語に途中では分からない。
キントの言動に細心の注意を払っていても物語のカラクリを見破るのは難しい。
難解映画と言えども物語の面白さは最高なので、臆することなく是非観て欲しい。
少し難解映画
『ファイトクラブ』
あらすじ
自動車会社に勤務する平凡な男は何不自由なく生活していたが一方で、不眠症を患っていた。
ある日、自宅が爆発し、全てを失ってしまう。
予告編
注目ポイント
先ほど紹介した『セブン』同様、本作はデヴィッド・フィンチャー監督による作品だ。
デヴィッド・フィンチャー監督はこの他『ソーシャルネットワーク』『ドラゴンタトゥーの女』『ゴーンガール』といった良作を多く公開しており今後も注目の監督だ。
さて、本作も難解映画の一種ではあるが、ここまで紹介した映画と比較するとかなり易しい内容となっているはずだ。
物語に登場する人物は主にエドワード・ノートン演じる「僕」とブラッド・ピット演じる「タイラー・ダーテン」である。
本作のタイトルにあるように「ファイトクラブ」という組織に属し、その名の通り殴り合いの描写がかなり激しい。
物語を理解するうえでのポイントは「僕」と「タイラー・ダーテン」の関係性を注意深く観察することである。
物語が進んでいくにつれ、どことない違和感を覚えるはずだ。
『メッセージ』
あらすじ
世界各地に突如として謎と宇宙船が現れた。
言語学者のルイーズ・バンクス、物理学者のイアン・ドネリー、アメリカ軍大佐のウェバーらは調査を開始する。
予告編
注目ポイント
本作は突如として世界各地に現れた謎の物体の中に物理学者・言語学者が入り調査をする物語で、それ自体が謎解きであるため必然的に難解な映画となっている。
謎の物体に言語学者が入ったのは交信を行うためであり、未知の文字について解き明かすことによって何故物体が現れたのか、その理由を探る。
物語が進行するにつれて徐々に謎が解き明かされていくため、映画を観た後も思い悩むほど難解なストーリーではない。
とはいえ、突如として現れた物体が伝えたかった事とは一体何なのか、その「メッセージ」について考えることは非常に興味深いと感じるはずだ。
『鑑定士と顔のない依頼人』
あらすじ
美術鑑定士のヴァージルは確かな腕で成功を収める一方で女性と接するのが非常に苦手だった。
ある日、彼の元に電話を通じて両親が死去したために、両親が収集していた美術品を競売にかけて欲しいという依頼が舞い込む。
予告編
注目ポイント
『鑑定士と顔のない依頼人』はそこまで難解ではないかもしれないが途中かなり頭を使うことになるはずだ。
一方で物語の仕掛け(カラクリ)をセリフによって全て説明されているので映画を観た後に疑問点にいつまでも悩まされることはない。
その点、ここまで紹介した映画と比較するとかなりコンパクトであるはずだ。
物語としての完成度は素晴らしく、特に衝撃的な展開には誰もが唖然としてしまうだろう。そして、何故かどことなく不気味な雰囲気である事も本作の魅力の一つだ。これは音楽のせいだろうか。
ちなみに鑑定士とはあまり馴染みがないかもしれないが、本作に登場するのは特に絵画を鑑定し、オークションにかける仕事の事である。
『ギルティ』
あらすじ
緊急通報指令室のオペレーターであるアスガー・ホルムの元に一本の通報が入る。
それは今まさに誘拐されているという女性自身からの通報だった。
予告編
注目ポイント
本作を難解映画として紹介するか少々迷ったが、物語を理解するために劇中かなり頭を使う上に、これまでに味わったことがないような衝撃的な展開の映画であったために紹介する。
特に、「犯人は、音の中に潜んでいる」というキャッチコピーからもその難解度が容易に想像できるはずだ。
予測不能な展開と衝撃的すぎる結末が故に、日本でも公開当時観客満足度100%と話題になり2019年のベスト映画として選ぶものも多かった。
通報の電話口から聞こえてくる音のみを頼りにどこから掛かって来ているのか、誰がそこにいるのか、どのような状況なのかを推理しなければならない。
そして物語の大部分が電話を受け取った主人公がいる部屋のみで進行し、そのほかの描写はほとんど無い。
ここまで斬新な映画はこれまでにあっただろうか。
本作を観る上でのポイントは、やはり音である。音に注目してほしいのだが単にセリフだけではなく、雑音にまで注目してほしい。
いつもなら全く関心を持たない電話口のから聞こえる声の裏で進行する物語に誰もが衝撃を受けるはずだ。
是非その衝撃を体感してほしい。