今年もアカデミー賞の季節が近づいてきました。昨年は映画『グリーン・ブック』がアカデミー賞作品を受賞しました。
今年はいったいどのような作品が受賞するのでしょうか。
今回は第92回アカデミー賞作品賞ノミネート候補を10作品ピックアップし、海外の批評家からの評価とともに紹介します。
紹介するのは以下の10作品です。
【第92回アカデミー賞作品賞ノミネート候補】
- 映画『ジョーカー(JOKER)』
- 映画『ワンス・アポン・ア・タイム・インハリウッド(Once Upon a Time in Hollywood)』
- 映画『マリッジ・ストーリー(Marriage Story)』
- 映画『ジョジョ・ラビット(Jojo Rabbit)』
- 映画『パラサイト半地下の家族』
- 映画『ア・ビューティフル・デイ・イン・ザ・ネイバーフッド(A Beautiful Day in the Neighborhood)』
- 映画『アイリッシュマン(The Irishman)』
- 映画『1917』
- 映画『リトル・ウィメン(Little Women)』
- 映画『フォードvsフェラーリ(Ford v Ferrari)』
皆さんが、今年のアカデミー賞作品賞に期待する作品はありますか?やはり日本でのヒットが著しかった映画『ジョーカー』に期待している人も多いのではないでしょうか。
しかし、今年のノミネート候補作品にはそれを上回る評価を与えられている作品がいくつもあります。
どのような結果となるかは分かりませんが、まずは海外批評家たちの評価をチェックしていきましょう。今回は、評価に信頼のある海外サイト【Rotten Tomatoes】を参考に紹介します。
第92回アカデミー賞作品賞ノミネート候補作品を評価とともに紹介!
Rotten Tomatoesでは全米の様々な作家協会・映画評論家団体が承認した執筆者による各映画のレビューが掲載され、スタッフが作品ごとに肯定・否定のそれぞれのレビューを集計している。
また、特定作品への偏見を持たない選ばれし批評家40人以上の評価も別途掲載されている。
主に集計されたデータは肯定的か否定的かに分類され、評価のパーセンテージに反映される。
100%を最大とし、批評家の評価、観客の評価が支持率のパーセンテージにより掲載されている。
これらの評価とアカデミー賞作品賞予想をつなげることはよくないと考える人もいるかもしれないが、多くの人が賛同する映画ほどアカデミー賞に選出される可能性は高い。
実際アカデミー賞の投票権を持つものは映画産業に貢献した人物(アカデミー会員)で、およそ7000人である。
アカデミー会員には日本から北野武(映画監督)、是枝裕和(映画監督)、渡辺謙(俳優)などが選出されている。
以上のことを吟味して解説していく。
『ジョーカー』海外批評家&観客評価

まずは日本でのヒットが著しかった『ジョーカー』です。
批評家評価69%
観客評価89%
批評家評価、観客評価ともに思ったほど高くないというのが印象である。日本では特に印象の強い映画ではあり、筆者も映画館であまりの雰囲気に飲み込まれ、衝撃を受け、暗黒世界へと誘われたかのような感情で劇場を後にした。海外ではどのように受け取られたのだろうか。中国での公開がない中、興行収入は10億ドルという大台を超え世界歴代興行収入でも50位を突破している。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』海外批評家&観客評価

クエンティン・タランティーノ監督、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピットという豪華な顔ぶれで製作された本作。
批評家評価85%
観客評価70%
批評家からの評価はまずまずな一方、観客評価がイマイチといったところ。
実際に昔のハリウッドで起こったシャロンテート事件を題材に、タランティーノの世界観で話が展開される。話の落ちラストの数分で物語が決定期を迎えるため、序盤から中盤にかけて少々退屈したことも事実。観客評価の低さはそういったところからであろう。
『マリッジ・ストーリー』海外批評家&観客評価

『マリッジストーリー』は動画配信サービスNetflixが製作した映画である。この後紹介する『アイリッシュマン』も同様だ。動画配信サービスの映画業界進出が著しい中、アカデミー賞にどのような影響を与えるのだろうか。
批評家評価97%
観客評価90%
日本での公開は現時点では小規模となりそうだ。圧倒的批評家支持を得ており、ハイスコアの97%。すれ違いを重ね、離婚裁判に発展した夫婦のリアルな感情のキャッチボールが人々の心を掴んだに違いない。
『ジョジョ・ラビット』海外批評家&観客評価

監督は『マイティー・ソー:バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ。
第二次世界大戦中の孤独な少年の唯一の友人は空想上のヒトラー。少年とナショナリズムとの向き合いをコメディチックに描く。
批評家評価79%
観客評価96%
批評家からは比較的好評。意見の分かれる内容とはなりそうだが、観客からの支持もどうやら集めているようだ。
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『パラサイト 半地下の家族』海外批評家&観客評価

世界から絶賛の嵐出迎えられている本作。カンヌ国際映画祭では最高賞パルムドールを受賞している。韓国語映画ながら、作品賞へのノミネートが有力視されている。
批評家評価99%
観客評価93%
現代社会のタイムリーなテーマを落とし込み、批評家からの圧倒的評価を得ている。
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『ア・ビューティフル・デイ・イン・ザ・ネイバーフッド』海外批評家&観客評価

多くの人から愛される映画として、批評家から絶賛されている。Rotten Tomatoesには現時点(11月18日)で批評家からの評価が98件あり支持率は96%である。
批評家評価96%
観客評価 随時更新
『アイリッシュマン』海外批評家&観客評価

『アイリッシュマン』は先ほど紹介した作品『マリッジストーリー』同様、Netflixが製作&配信される。日本では既に劇場公開もされている。
マーティン・スコセッシ監督、アルパチーノ、ロバート・デ・ニーロという豪華顔ぶれ。3時間半という超長編映画だが、スコセッシ監督の近年作品のジャンル総決算で、キャリアの勝利作品であるといった高評価を得ている。
批評家評価96%
観客評価87%
批評家、観客評価共に非常に多くの支持を得ている。観客評価が若干下げているのはその長さが原因であるという声もちらほら聞こえてくる。
『1917』海外批評家&観客評価

1917とは第一次世界大戦に投入された2人の若きイギリス兵のある1日を描いた物語だ。監督は『アメリカンビューティー』『007』シリーズで知られるサム・メンデス。
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『リトル・ウィメン』海外批評家&観客評価

『リトル・ウィメン』はルイーザ・メイ・オルコットが1868年に発表した小説『若草物語』を原作としている。
キャストにはエマ・ワトソンはじめ、ティモシーシャラメといった話題の注目俳優が起用されている。
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『フォードvsフェラーリ』海外批評家&観客評価

マット・デイモン、クリスチャン・ベールによる、フォードとフェラーリの競争の歴史をもとにした作品。特にクリスチャン・ベールの演技に注目が集まっている。
批評家評価92%
観客評価98%
批評家評価、観客評価ともに圧倒的支持を得ている。特に、観客評価98%は紹介した10作品の中でも群を抜いている。
記事内画像はRotten Tomatoes公式サイトより出典。